平日朝ラッシュ時上りの1時間あたり(横浜7:30~8:29到着基準)の運転本数は以上の通りである。
本線の朝ラッシュ時の下りは、上り方向に比べて輸送人員は少ないものの、藤沢や平塚といった湘南地域への通勤・通学客で一定の利用がある。また短い区間ではあるが、横浜駅から市内中心部の官庁街である桜木町・関内への利用も特筆すべき点である。しかしその輸送人員は上りのそれに比べて多くない。また比較的路線距離が短い横藤電車では、列車を早急に始発駅に戻して上り列車に仕立てることによって、運用効率を向上させることが下りダイヤでは求められている。
以上のことから、下りダイヤは15分サイクルで、「毎時8本の特急」を主体とし、「毎時8本の普通」、「毎時4本でライフタウン線に直通する急行」がそれぞれ運行されている。横浜まで上ってきたライフタウン線からの普通は回送で折り返される。ただ上りのダイヤを優先して作成されているため、完璧な等間隔のパターンダイヤが組まれているとは言い難い。
本線の朝ラッシュ時の上りダイヤは15分サイクルで組まれている。全区間で日中より本数は増強されており、「毎時8本の特急 」を主体に、「毎時4本のライフタウン線からの通勤特急」、「毎時4本の準急」、「毎時4本のライフタウン線からの普通」、「毎時4本の普通」がそれぞれ運行される。ピーク時の横浜駅到着列車は計24本となる。
この時間帯で特筆すべきことは通勤特急と準急の運転である。ライフタウン線からの通勤特急は原宿花園で準急に接続したあと、乗降客数が一番多い戸塚駅※を通過する。その代わり、JR線の東戸塚にほど近くて特急が通過する平戸に停車する。これはいわゆる千鳥停車という運転形態で、①特急との乗客分散や②JR線への乗り換え客の流失を防ぐ役割を持つ。さらに横浜市内有数の住宅街に位置する③平戸からの乗客も吸収し、特急との続行運転により④ラッシュ時の速達運転にも寄与している。
準急は戸塚まで各駅に停車し、戸塚で特急の退避を行った後は横浜まで先行するダイヤが組まれている。弘明寺では普通の接続もあるので、特急の通過する吉田元町~弘明寺間の各駅から横浜方面へ向かう速達列車として大きな役割がある。全体的な乗車率こそ特急に比べれば低いが、藤沢~戸塚間の各駅の利用客にとっては、横浜まで乗り換えなしのそれなりに空いている列車として重宝されている。
(※横藤電車の戸塚以西の各駅から横浜駅や東京都心方面へ向かう場合、戸塚でJR線に乗り換えた方が早く到達するとされている。そのため戸塚は横藤電車の駅で最も乗降客数が多くなっており、京成船橋、京急横浜、山陽明石などの駅と性格が似ていると言える。)
ライフタウン線は名前からも分かる通り、湘南ライフタウンというニュータウンを抱えている。そのため、横浜市内中心部や東京都心へ向かう通勤・通学客で、ラッシュ時の利用率が非常に高い。上り方向では、「毎時4本で本線へ直通する通勤特急」、「毎時4本で本線へ直通する普通」、「毎時4本で線内完結の普通」がそれぞれ15分サイクルで運行され、日中の本数の倍となる。原宿花園では通勤特急が準急に、普通が特急にそれぞれ接続する。
一方下り方向では、沿線の高校・大学への利用を除けば、その輸送需要はほとんどないに等しい。そういった事情に加え、運用効率の向上といった観点から、本線直通の普通は横浜から回送で下ってくる点が特筆されよう。
寒川線は上り方向の需要もさることながら、沿線に工業団地が立地しているので下り方向の需要も旺盛である。そのため朝ラッシュ時のダイヤは7.5分間隔の5運用体制となり、日中の本数の倍となる。一部区間で単線があるため、上図のようなパターンとなっている。茅ヶ崎では5番線の使用を基本とし、送り込み回送がある際などは6番線も使用する。