5000形は1974年の架線電圧1500Vへの昇圧後に最初の1500V専用車として登場した。基本設計は2000形を基本としながら、主要機器の単電圧化・両開き扉の採用といった点で大きく異なる。制御方式は抵抗制御を踏襲しているが、超多段制御から一般的な多段制御になり、本形式では制御器1基で主電動機8個を制御する1C8M方式となった。導入当初は2M1Tの3両固定編成のみであったが、1976年度製造車より6両固定編成も登場し、最終的には計54両の陣容となった。
1992年の1000形導入以降は在来車と同じく新塗装化が進められた。さらに製造から30年を迎えるにあたって、2001年からは大規模リニューアル工事が行われることとなった。当時横藤電鉄では列車編成の長編成化が進めらていた反面、2000形・3000形などの車齢が高い車両が多く残存していたためである。それらの昇圧前導入車に比べ、まだ車歴の浅かった5000形は外観のリニューアル、スカートの設置、パンタグラフのシングルアーム化など工事が施行された。また、3両固定編成で残存していた編成の6両固定編成化も同時に進められている。
かつては特急から普通まで幅広い運用をされていたが、特急の8両運用が基本となった現在では、普通や準急の運用が基本である。2000形引退以降は最古参となり、2019年から廃車が始まった。
(上)登場時
(中)わずかの期間しか見ることの出来なかったリニューアル前の新塗装車
(下)リニューアル工事車
❏主要諸元
・登場年:1974年
・編成:6両編成
・車体:普通鋼
・設備:3扉・ロングシート
・制御方式:抵抗制御
・制動装置:発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ
・営業最高速度:110km/h
・起動加速度:3.3km/h/s
・減速度:4.0km/h/s(常用最大)4.5km/h/s(非常)
❏編成表(2020年現在)