9000形は老朽化していた2000形、そして5000形・6000形の置きかえを主目的として2016年に登場した。横藤電車の開業100周年という節目に合わせて登場した本形式は意匠を凝らした設計となっている。
車体は初めてステンレスを採用し、塗装工程の簡略化を目指した。前頭部は事故時の補修が容易な普通鋼製となっている。また、踏切事故対策と運転操作性を考慮し運転席が拡大された。そのため、乗務員室背後の座席及び側面の窓も廃止されて、代わりに烏帽子岩をモチーフとしたマークがラッピングされている。正面デザインは7000形が登場して以来の大幅なフルモデルチェンジとなった。上下に大きく開いた貫通扉の窓や鍵型ライトが特徴となっているが、これは1932年の登場し「モダン電車(モデン)」の名で親しまれた350形の正面形状を意識したものである。
また、次世代半導体素子「SiC」を用いたVVVFインバータの採用、前照灯・尾灯・車内照明などすべての照明装置をLED化することで省エネルギー化を図った。
9000形は2018年度より6両固定編成も登場し、特急から普通まで幅広く運用され、次世代の横藤電車の主力としてその活躍が期待される。
❏主要諸元
・登場年:2016年
・編成:6両編成・8両編成
・車体:ステンレス鋼
・設備:3扉・ロングシート
・制御方式:フルSiC素子VVVFインバータ制御
・制動装置:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
・営業最高速度:110km/h
・起動加速度:3.3km/h/s
・減速度:4.0km/h/s(常用最大)4.5km/h/s(非常)
❏編成表(2020年現在)