デト930形はデト920形の代替として1988年に登場した事業用の電動無蓋貨車である。当時700形の引退も迫り、デト920形は唯一のつりかけ駆動・自動空気ブレーキ車となるところだった。しかし、いくら非営業用とはいえ整備・運用面で非効率となることは明白だった。
そこで初期高性能車である1000形I・1500形Iの廃品を利用して新造されたのがデト930形である。台枠には重量物運搬のため魚腹式台枠が採用され、乗務員室の後部には作業員の休憩所として使用する有蓋室が設けられている。
2016年に2000形が全廃されると、本形式も他形式との部品共通化が必要となった。そこで2018年に6000形の廃品を流用し、台車や主電動機、制御装置等が換装された。照明類のLED化などの改造も同時に行われている。
現在は週に1~2度に戸塚車両工場と中島検車区との間で資材運搬列車として運用されるほか、保線や駅設備の改修工事など夜間作業でも活躍している。
(上)登場時
(下)新塗装化および改造後
❏主要諸元
・登場年:1988年
・編成:2両編成
・車体:普通鋼
・制御方式:界磁チョッパ制御
・制動装置:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
・営業最高速度:95km/h
・起動加速度:2.5km/h/s
・減速度:4.0km/h/s(常用最大)4.5km/h/s(非常)
❏編成表(2020年現在)